白か黒かの二分法で考えるのは悪い癖
第2は、TPPに参加するか否かが一国の命運を左右するかのような議論が行われていることにやや違和感を覚えることだ。
賛成派は、ここでTPPに参加しないと日本の将来はないかのように主張するし、一方では反対派は、TPPなどに参加したら日本が滅びてしまうかのような議論を展開している。このように、白か黒かの二分法で議論してしまうのは日本における政策論議の悪い癖だ。
私は、政策のオプションは縦にも横にも、連続的につながっているのだと考えている。そもそも(後で説明するように)TPPは、FTA(自由貿易協定)またはEPA(経済連携協定)の一つなのだから、FTAやEPAにどう対応するのかという姿勢の違いがある。例えば、韓国のように、TPPには加わらずに(将来加わるかもしれないが)、多方面の国々・地域とFTAを締結しまくるというやり方もある。
どんな姿勢で参加するかの違いもある。私が最も望ましいと考えるのは、グローバル化への積極的な対応を日本の将来への基本戦略として位置づけ、TPPもその一環として参加していく、つまり「自ら進んで参加していく」という道だ。最も望ましくないのは、自国の殻に閉じこもって、グローバル化を通じた経済活性化を拒否し、当然のこととしてTPPに参加しないことだ。そして、この両極端の間には無数の政策オプションがある。「しぶしぶ参加して、いやいや効率化を強いられる」「できるだけ骨抜きにして参加する」「とりあえず参加して、議論の進展次第では調印しない」等々である。
白黒の議論をするのではなく、こうした無数の選択肢の中で、どんな道を選ぶのか、また日本が選ぼうとしている道はどう評価されるのかを考えていく必要がある。


