タンブラー面白いですよね。
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『自由をつくる 自在に生きる』(森博嗣著・集英社新書)より。

(「ブログの罠」という項から)

【これに似たことが、インターネットで大いに普及したブログにも観察される。あれは基本的に自由になんでも書いて良いはずのものだけれど、もちろん実情はそうではない。人目を気にしなければならない。そこが従来の日記とはまったく異なっている。
 本当は誰も読んでいないかもしれない(その可能性は非常に高い)のに、仮想の大勢の読者を想定して(自分の行為が注目されているものと妄想して)、ブログを書く人は多いだろう。そういう心理がよく表れている文章が散見される。冷静になって観察すると、酔っぱらってハイテンションになっているときのようにも見える。
 本来、自分の時間は自分のためにある。何をするかは自由なはずだ。
 しかし、ブログを書くことが日常になると、ついブログに書けることを生活の中に探してしまう。人が驚くようなものを探している。写真に撮って人に見せられるものを見つけようとしている。たとえば、1年かけてじっくりと考えるようなもの、10年かけなければ作れないようなもの、そういった大問題や大作ではなく、今日1日で成果が現れるような手近な行為を選択するようになるのだ。
 知らず知らず、ブログに書きやすい毎日を過ごすことになる。
 これは、「支配」以外のなにものでもない。人の目を気にし、毎日のレポートに追われるあまり、自分の可能性を小さくする危険がある。充分に気をつけた方が良いだろう。
 そういう人は、ためしにブログを1ヵ月くらい休むと良いかもしれない。人に見せない、というだけで、自分が選ぶものが変わってくる。
 誰にも見せない、誰にも話さない、としたら、貴方は何を選ぶ? 自分のために選べるだろうか。自分が本当に欲しいもの、自分が本当に好きなものは何か、と考えることになるはずだ。ものを買うとき、選ぶとき、他者からどう思われるかを判断基準にしている、少なくとも、その基準が大半を占めていることに気づくはずだ。
 ある程度はしかたがないこととはいえ、他人の目を気にしすぎると、いつか虚しくなるときが来るだろう。何のために自分は生きているのか、他人のためではない、自分のためではないのか、と……。】