小関 もしかしたら、自分のいる場所をわざわざ発信するなんて、と思われるかもしれません。ですが、ここに面白いデータがあります。私たちが実施した、位置情報サービスにおけるプライバシー意識の調査結果です。見てみると、10代を中心に、無料でサービスを受けるためには、自分のプライバシー情報を提供するのは自然な行為だという考え方が一般的になっていることがわかりました。もちろん、よくわからないまま自分のプライバシー情報を取られては気持ちが悪い、という意見は当然あります。ただ、位置ゲーの場合は位置登録を提供することで、ゲームが成り立つわけです。そこがうまくできているところですよね。コロプラやfoursquareは無料で遊べますし、ドラクエ9は有料ですが「すれ違い通信」に追加料金はかかりません。ユーザは位置情報を発信して無料で遊べる。企業はその情報を用いてユーザの行動を分析できる。フェアな関係になっているわけです。
松崎 無料ならば利用したいが位置情報の提供は最低限に止めたい、また何が何でも提供したくないという層もいます(図2)。ただ、コロプラの利用数が100万人を超えている状況を考えると、この層の人たちも取り込んでいるのではないか、という考え方もできるわけです。人が個人情報を提供するにあたってさまざまな障壁はあるけれども、位置ゲーはそれをあっさりと超えて、位置情報のプラットホームになってきています。
また、位置情報も長い間貯めていくと個人情報になるのではないか?という議論もされています。利用者側を守るのはもちろんですが、データを集めて有効に活用しようとしている事業者を守る意味でも匿名性の研究や制度づくりが重要になるのではないでしょうか。企業もある日突然に、個人情報違反だととがめられても困ってしまいますから。ならば、こういう基準で保存してください、と伝えることもできるはずです。センターオブエクセレンスというと大げさかもしれませんが、今後、匿名性に関する専門家とベストプラクティスを集め、匿名化処理を代行してくれるような機関も出てくるかもしれません。